職場・施設形態

介護医療院・療養型病院で働く介護職の仕事内容・医療的ケア・給料・特徴

更新日:2026/09/08 読了目安:約8分 執筆:介護リーチ キャリアアドバイザー

介護医療院・療養型病院で働く介護職の仕事内容、医療的ケアとの関わり方、日勤・夜勤の流れ、給料の傾向、向いている人をキャリアアドバイザーが解説。特養や老健との違い、看取りや医療依存度の高い方へのケアの実際、求人選びのポイントも紹介します。

介護医療院は2018年に創設された比較的新しい施設で、「長期療養のための医療」と「生活の場」を一体で提供します。療養型病院(医療療養病床)とともに、医療依存度の高い高齢者が長く暮らす場所であり、介護職は看護師と協働しながら日々のケアを担います。「医療的ケアが多くて大変そう」というイメージがある一方、「看護師がそばにいる安心感がある」「看取りを丁寧に学べる」という理由で選ぶ方も多い職場です。この記事では、介護医療院・療養型病院の役割と入居者像、仕事内容と1日の流れ、医療的ケアとの関わり方、給料の傾向、向いている人の特徴、求人選びのポイントを整理しました。

介護医療院・療養型病院とはどんな施設か

介護医療院

介護医療院は介護保険法にもとづく施設で、従来の介護療養型医療施設に代わって創設されました。医師・看護師の配置が手厚く、たん吸引や経管栄養、褥瘡の処置など医療的ケアを日常的に提供しながら、「住まい」としての生活支援も行います。Ⅰ型(重篤な身体疾患や身体合併症のある認知症の方が中心)とⅡ型(老健相当の状態の方が中心)があり、Ⅰ型のほうが医療的ケアの比重が高くなります。

療養型病院(医療療養病床)

医療保険で運営される病院の病棟で、長期の医学的管理が必要な方が入院します。介護職は看護助手・看護補助者として看護師の指揮のもとで働きます。介護医療院との違いは、制度上は「病院」であり、「住まい」としての要素より医療管理が優先される点です。

入居者像と要介護度

介護医療院の入所者は要介護1以上ですが、実際には要介護4〜5の方が大半で、寝たきりや経管栄養、たん吸引が必要な方が多く暮らしています。認知症を伴う方も多く、意思疎通が難しい方への丁寧な関わりが求められます。看取りまで行うことが前提の施設で、終末期ケアの機会は特養より多い傾向です。

人員配置

介護医療院Ⅰ型では入所者6人に対し介護職員1人以上(実際は5:1程度の配置が多い)、看護職員も6人に1人以上、医師は48人に1人以上が基準です。特養の3:1と比べると介護職の配置は薄く見えますが、看護師が多く配置されており、医療的ケアは看護師が担うため、介護職が1人で背負う範囲は限定されています。

介護医療院・療養型病院で働く介護職の仕事内容と1日の流れ

日勤の流れの例

時間主な業務
8:30出勤、夜勤者から申し送り、看護師とのカンファレンス
9:00おむつ交換、体位変換、清拭、シーツ交換
10:00入浴介助(機械浴・ストレッチャー浴が中心)、経管栄養の方の見守り
11:30昼食介助(嚥下に配慮した食事形態、少量ずつ丁寧に)、口腔ケア
13:00休憩、午後の体位変換、おむつ交換
14:30離床の促し(車いすで談話室へ)、レクリエーションや季節の行事
16:00記録、看護師への報告、夜勤者へ申し送り
17:00退勤

医療的ケアそのもの(たん吸引、経管栄養の注入、褥瘡の処置)は原則として看護師が行いますが、喀痰吸引等研修を修了した介護職は、一定の条件のもとでたん吸引と経管栄養を担当できます。介護職の主な役割は、体位変換や清潔ケア、食事介助、離床支援など、生活の質を保つためのケアです。

夜勤の流れの例

夜勤は看護師と介護職が複数人で担当し、体位変換(2時間おきが基本)、おむつ交換、経管栄養の見守り、巡視を行います。看護師が必ず常駐しているため、急変時は看護師が対応し、介護職はその補助に回ります。夜間の医療処置が多い分、介護職も「いつもと違う」変化に気づく観察力が求められます。

アドバイザーのひとこと 介護医療院で働く方に「一番のやりがいは何か」と聞くと、「話せない方の小さな反応に気づけたとき」という答えが返ってきます。表情の変化、手の動き、呼吸のリズム。こうした細やかな観察が、この施設形態の介護職の専門性です。「会話でのコミュニケーションが好き」という方には向かないかもしれませんが、「静かに丁寧に向き合う介護」に価値を感じる方には最適な職場です。

介護医療院・療養型病院の介護職の給料の傾向

介護リーチに掲載されている介護医療院・療養型病院の求人383件の平均月給は約21.1万円万円です。医療法人が運営することが多く、病院と共通の給与テーブル・賞与制度が適用されるケースが一般的です。介護医療院では介護保険の処遇改善加算が算定でき、療養型病院(医療療養病床)は対象外という制度上の違いがあります。

  • 夜勤手当と回数:月4〜5回が一般的で、手当は病院水準に準じることが多い
  • 賞与:医療法人は年2回が一般的で、比較的安定した実績
  • 喀痰吸引等研修の手当:修了者に手当を出す施設もあります
  • 資格手当:介護福祉士に手当があり、取得支援を行う施設も多い
  • 介護医療院か療養病床か:処遇改善加算の適用の違いで、月給に差が出ることがあります

介護医療院・療養型病院に向いている人・メリット・デメリット

向いている人

  • 医療的ケアが必要な方への丁寧な身体ケアに意義を感じる人
  • 看護師と協働し、医療知識を学びたい人
  • 看取りや終末期ケアに真剣に向き合いたい人
  • 静かで落ち着いた環境で、一人ひとりに集中して関わりたい人

メリット

  • 看護師が常に複数いるため、急変時の不安が少ない
  • 医療的な観察力、感染対策、終末期ケアの知識が身につく
  • 医療法人の福利厚生と賞与が安定している傾向
  • 喀痰吸引等研修などの専門研修を受けられる施設が多い
  • 入所者の入れ替わりが少なく、落ち着いて働ける

デメリット

  • 寝たきりの方が多く、体位変換やおむつ交換で腰への負担が大きい
  • 会話でのコミュニケーションが少なく、物足りなさを感じる人もいる
  • 看取りが多く、精神的な負担を感じることがある
  • 病院の文化が強い施設では、介護職の意見が通りにくい場合がある

介護医療院・療養型病院の求人の探し方と確認ポイント

  1. 介護医療院か療養型病院か:制度上の違いと処遇改善加算の適用
  2. Ⅰ型かⅡ型か:Ⅰ型は医療的ケアの比重が高い
  3. 介護職と看護職の配置比率:介護職が担う範囲が変わります
  4. 喀痰吸引等研修の受講支援:キャリアの幅が広がります
  5. 腰痛対策:リフト、スライディングシート、電動ベッドの整備状況
  6. 看取りの体制と研修:看取りケアの方針、職員へのケア(グリーフケア)の有無

介護医療院は施設数がまだ多くないため、療養型病院や老健の求人も併せて探すと選択肢が広がります。同じ法人が病院・老健・介護医療院を運営していることも多く、異動でキャリアを広げる道もあります。

よくある質問

Q. 介護医療院は未経験でも働けますか?

働けます。看護師が多く配置されており、医療的ケアは看護師が担うため、未経験者は生活ケアから始められます。医療用語や感染対策は入職後に学べるので、丁寧に取り組む姿勢があれば十分です。未経験歓迎の求人や教育体制の整った施設を選びましょう。

Q. 介護職がたん吸引をすることはありますか?

喀痰吸引等研修を修了し、施設が登録事業者になっている場合に限り、介護職もたん吸引と経管栄養を行えます。研修を受けていない介護職が行うことはありません。研修の受講を支援する施設もあり、修了すると手当やキャリアの面で有利になります。

Q. 介護医療院と特養はどちらが大変ですか?

身体的な負担は、寝たきりの方が多い介護医療院のほうが体位変換やおむつ交換の面で大きい傾向です。一方、看護師が常駐しているため、急変時や医療面での精神的な負担は特養より軽いと感じる人が多いです。介護職の配置は薄めですが、看護師との分業で成り立っています。

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タグ:介護医療院 療養型病院 夜勤あり 給料

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