介護職の平均年収・月給・手取りはいくら?経験年数別・施設別の実態と上げ方
介護職の平均年収・月給・手取りの実態を、公的統計と介護リーチの掲載求人データから解説。給与の内訳(基本給・処遇改善加算・夜勤手当・賞与)、経験年数や施設形態・資格による違い、手取りの計算の目安、年収を上げる現実的な方法まで整理しました。
「介護職の給料は安い」と言われますが、実際にいくらもらえるのかを正しく知っている方は意外と少ないものです。求人票の月給は施設によって書き方が違い、処遇改善加算や夜勤手当の扱いで手取りが大きく変わります。この記事では、公的な統計と介護リーチに掲載されている求人データをもとに、介護職の平均年収・月給・手取りの実態と、経験年数や施設形態・資格による違い、そして年収を上げるための現実的な方法を解説します。
介護職の平均年収と月給の目安
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2024年)によると、介護職員(施設)の平均年収は約370万円です。これは基本給に各種手当と賞与を含めた数字で、全産業の平均と比べると低い水準にありますが、処遇改善の加算が段階的に拡充されたことで、この10年ほどで着実に上昇してきました。
介護リーチに掲載されている介護職求人の平均月給は 25万円 万円です(2026年11月8日 時点、88,691 件)。求人票の月給には、施設によって処遇改善加算や夜勤手当が含まれている場合と含まれていない場合があるため、平均値はあくまで目安として捉えてください。
介護職の給与の内訳
介護職の給料は、次の要素で構成されています。年収を比較するときは、この内訳を分解して見ることが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本給 | 年齢・経験・資格で決まる基礎部分。賞与や退職金の算定基準になる |
| 処遇改善加算 | 介護報酬の加算を原資に職員へ配分。毎月の手当、一時金、基本給への組み込みなど支給方法は施設ごとに異なる |
| 夜勤手当 | 1回あたりの定額。月の回数で変動する |
| 資格手当 | 介護福祉士、ケアマネジャーなどの資格に応じて支給 |
| 役職手当 | ユニットリーダー、主任、管理者など |
| その他 | 通勤手当、住宅手当、扶養手当、早番・遅番手当など |
| 賞与 | 年2回が多い。基本給の〇か月分で決まることが一般的 |
同じ「月給25万円」でも、基本給が高い施設と、夜勤手当や処遇改善加算を含めた施設では、賞与や夜勤ができなくなったときの収入がまったく違います。
アドバイザーのひとこと 求人を比較するときは、「基本給」「処遇改善加算の支給方法」「夜勤手当の単価と想定回数」の3点を必ず確認してください。月給の表示額が高くても、夜勤6回分を含んだ数字であれば、夜勤4回の月は表示より数万円低くなります。面接で聞きにくければ、私たちが施設に確認します。
経験年数別の年収の傾向
介護職の給料は、経験年数に応じて緩やかに上がる傾向があります。一般的な傾向として、次のような流れです。
- 1〜3年目:基本給は低めだが、夜勤に入り始めると手取りが増える。初任者研修・実務者研修の取得で資格手当が付く
- 3〜5年目:介護福祉士を取得し、資格手当と処遇改善加算の配分が増える。ユニットリーダーや主任候補になる
- 5〜10年目:主任・リーダー職で役職手当が付く。ケアマネジャーや生活相談員へ職種転換する人も出てくる
- 10年目以降:管理者・施設長クラスで年収が大きく上がる場合と、現場職のまま頭打ちになる場合に分かれる
処遇改善加算の制度では、経験・技能のある職員(介護福祉士で10年以上の経験など)への重点配分が求められており、長く働くほど加算の恩恵を受けやすい設計になっています。
施設形態別の年収の傾向
施設形態によっても給与水準は変わります。傾向として、夜勤があり要介護度の高い入所施設のほうが、日勤のみの通所施設より年収は高くなります。
- 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設:夜勤手当と処遇改善加算が手厚く、年収は高めの傾向
- 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅:運営法人によって幅が大きい。大手は賞与が安定している傾向
- グループホーム:夜勤はあるが、規模が小さく給与は中位の傾向
- デイサービス・デイケア:日勤のみで夜勤手当がない分、年収は低めの傾向
- 訪問介護:正職員は中位、登録ヘルパーは時給制で件数に応じて変動
介護リーチの掲載求人では、特別養護老人ホームの平均月給が 22.1万円 万円、デイサービスが 26.1万円 万円です。
資格別の年収の傾向
資格は、介護職の給与に最も直接的に影響する要素です。
- 無資格:資格手当がなく、基本給も低めに設定されることが多い
- 介護職員初任者研修:数千円程度の資格手当が付く施設がある
- 介護福祉士実務者研修:初任者研修よりやや高い手当が付く施設がある
- 介護福祉士:多くの施設で資格手当があり、処遇改善加算の配分でも優遇される。リーダー職の要件になることも多い
- 介護支援専門員(ケアマネジャー):職種転換となり、夜勤がなくなる代わりに基本給が高くなる傾向
介護福祉士の求人の平均月給は 24.6万円 万円、無資格OKの求人では 23.8万円 万円です。
手取りの目安と計算方法
手取りは、額面から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険)と所得税・住民税を引いた金額です。一般的に、額面の75〜85%程度が手取りの目安になります。
- 月給22万円の場合:手取りは17〜18万円前後
- 月給28万円の場合:手取りは22〜23万円前後
扶養家族の有無や住民税(前年の所得で決まる)で変わるため、あくまで目安です。転職1年目は前職の所得に対する住民税が引かれるため、手取りが想定より少なく感じることがあります。
介護職が年収を上げる現実的な方法
- 夜勤の回数を調整する:夜勤手当は最も即効性のある収入源。体調と相談しながら月4〜5回が続けやすい目安
- 介護福祉士を取得する:資格手当に加え、処遇改善加算の配分や昇進要件で有利になる
- 役職を目指す:ユニットリーダー、主任、管理者と段階的に役職手当が付く
- 職種を変える:ケアマネジャー、生活相談員、サービス提供責任者は夜勤なしで基本給が高くなる傾向
- 施設形態や法人を変える:同じ資格・経験でも、法人の給与規定や処遇改善加算の取得区分で差が出る
今の職場で昇給が見込めない場合、転職による年収アップは現実的な選択肢です。ただし、月給の表示額だけで判断せず、内訳と賞与、昇給実績を確認したうえで比較しましょう。
よくある質問
Q. 介護職の賞与はどれくらいですか?
法人によって差が大きく、基本給の2〜4か月分程度が一般的な範囲です。社会福祉法人は安定して支給する傾向があり、株式会社運営の施設は業績連動で変動することがあります。求人票の「賞与実績」と、基本給の額を合わせて確認してください。
Q. 処遇改善加算はすべての介護職員がもらえますか?
加算を取得している事業所で働く介護職員が対象ですが、支給方法(毎月・一時金・基本給への組み込み)や配分の基準は事業所ごとに異なります。パートや無資格の職員にも配分している事業所が多いですが、金額は経験・資格で差をつけることが認められています。
Q. 年収400万円以上は介護職で可能ですか?
可能です。介護福祉士を持ち、夜勤を月4〜5回行い、リーダー職や主任クラスになれば、地域や法人によっては届く水準です。管理者・施設長やケアマネジャーとして経験を積めば、さらに上を目指せます。
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